ハダシで町をうろついた話
とあるブログの一人〇〇の限界はどこかって記事の最後に福本漫画の引用があった。
飲茶な日々 - 史上最強の哲学日記
ひとりの限界はどこか?
http://blog.yamcha.jp/article/105971243.html
靴を履かずに庭に下りる……
なんだかよ………縛られてるよな
これっぽっちのことでも……
この程度のことでも……縛られている
しかしそもそも
なんでそういう事をしちゃいけないかというと
靴下が汚れないようにとか……
このまま上がれば廊下が汚れるとか……
その程度のことだ
でも……そんなものこうして
払えばいいだけのことだろ……!
だから……もし気分が動けば……
どんどん歩けばいい……!
何の不都合もあるもんか…!
しかし……どうもそれが出来ない……
こんなちっぽけなことも……
晴れ晴れと出来ない……!
不自由だ……訳も分からず……!
あいつ……赤木は……歩くだろう……!
何も気にかけず……スッ…と庭に下りるだろう……!
「天」 福本伸行
これを読んで、そういえば今まで外をハダシで歩いた記憶ってないなーと思って、衝動的に家の周りをハダシのまま散歩してみたくなった。というかした。
午前11時、ハダシのまま玄関を出る。日差しに照らされたアスファルトの上をハダシで歩いていると、地面を踏みしめるようで、暖かくて、チクチクする感じがして、なんだか懐かしいような変な感じがした。
この懐かしい感じはなんだろうと思ってしばらく考えた。
で、導きだされた記憶が「プールサイドを歩いている感覚」だった。それがわかった途端にまた懐かしさみたいなものがこみ上げてきた。
ハダシで歩いていると、見知らぬおばさんとすれ違った。おそらく僕がハダシであることに気づいたのか、二回ほどこちらを見て視線をそらした。間違いなく変な奴だと思ってると思う。僕が町中をハダシで歩く青年を見かけたとしてもまず間違いなく変な奴だと思うし。知り合いに会わなくてよかったと今改めて思う。
そのままもう少し進むと、おばさん3人と幼稚園児3人のグループとすれ違った。この団体はこちらがハダシであることに気づいていないのか、あまりこちらを気にしていなかった。人によっては気づかないらしい。
そんなこんなで300mほど家の周りをハダシでうろついて帰ってきた。300mでも懐かしさやら緊張感やら色々入り交じってかなり濃密な300mだった。
自らの意思でハダシで外を歩くというのはこの20年ほどの人生で初めてのことだった。初めての体験だからこそ、濃密で刺激的な300mだったのだと思う。やっぱり初めての体験って色々と感じることや新しく思うことがあっていい刺激になると思う。
普通に生活していると初めての体験ってする機会が少ないと思うから、なるべく自分から積極的に初めての体験をしていきたい。今回のような奇行に限った話じゃなくてもっと一般的な話で。
- 作者: 中沢啓治
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2013/07/04
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る